みなさんこんにちは、管理人のてっぺいです。
今回はバッテリー上がりに関する内容です。
- 新しい車種の新車なのに1年持たずバッテリーが上がった。
- 先日バッテリー交換したばかりなのにまたバッテリーが上がった。
一瞬、耳を疑う事象ですが、こういった内容を見かける機会が増えています。
気になって確認してみたところ、意外な結果が分かってきましたので気になった方は読み進んでみて下さい。
本記事についてはプライバシーポリシーに基づき可能な限り細心の注意を払って掲載しておりますこと予めご了承頂いた上でお読み頂けると幸いです。
本記事は2024年04月17日時点のものです。記事掲載後の経過状況によっては実際の内容と異なっている場合があります。予めご了承下さい。
目次
結果
バッテリー上がりしやすい条件
- 走行距離が短い
- 運転頻度が少ない
- エンジン停止後の監視機能
- エンジン停止時のルームランプ使用
- エンジン停止時のヘッドランプ使用
- エンジン停止時の電動ドア系の多用
- 夏、冬の気候
- 暗電流
今回バッテリーと言っているのは、上図画像にある12Vの「鉛バッテリー」のことで、1~8の条件に当てはまる項目が多いほどバッテリーが上がりやすくなります。
この先は「バッテリー上がりしやすい条件の詳細」について解説しますので気になった方は読み進んでみて下さい。
ハイブリッド車のバッテリーは2種類
ハイブリッド車には以下2つのバッテリーがあります。
- 駆動用バッテリー
- 補機バッテリー
駆動用バッテリー
主にモーターへの電力供給を行うためのバッテリーで、補機バッテリーよりも電圧、容量がとても大きなものとなっています。
エンジンオンの場合は、モーターだけでなく、補機バッテリーへの充電、電装品、PCU、各ECU等への電力供給も行っています。
補機バッテリー
ガソリン車にも搭載されている12V鉛バッテリーと同じですが、ハイブリッド車にはメイン電源となる駆動バッテリーがあることから、補助的な役割のバッテリーとなります。
駆動用バッテリーあるから補機バッテリー不要に思えますが、車載電装品が12V電圧で稼働するものが多いのと、駆動用バッテリー保護のために補機バッテリーがあるので、実はEV車にも搭載されています。
駆動用バッテリー
画像は天井デッドニングやラゲッジ全体のロードノイズ対策で内装剥がしまくった時のものです(デッドニングの話はまた別の機会で)
画像にあるモーター駆動用バッテリーは、他の呼び方として「メインバッテリー」、「走行バッテリー」、「ハイブリッドバッテリー」など色々ありますが、本ページではTOYOTA車取説にもあった「駆動用バッテリー」とします。
画像のプリウスαの場合、「ニッケル水素タイプ」の駆動用バッテリーになり、横幅約1m、高さ約20cm、奥行約35cmくらいの長方形ユニットで、重量は約40kgもあります。
後述する補機バッテリー(鉛バッテリー)は参考サイズ情報(長さ240㎜x幅175㎜x高さ190㎜)なので、比べてみるとかなり大きいことが分かっていただけると思います。
駆動用バッテリー小話
駆動用バッテリーはモーターへの高い電力を供給する大きなバッテリーですが、車種によっては「大きさ」、「搭載位置」が異なり、90系ノアの場合は、「リチウムイオンタイプ」ではあるものの、技術向上による高密度と小型化により、助手席下に設置できるくらいのサイズになっています。
駆動用バッテリーは扱われる電圧も200V以上で、30、40系プリウスで例を挙げるなら、昇圧により電圧が最大650Vまで上げられ、インバーターによる交流変換を経てモーターに電力供給されます。
交流直流の話もありますし、モータースペックも違いますが、650V※という「電圧数値」だけでざっくり言えば、某地下鉄や路面電車が各モーター駆動に使われているような内容です。ハイブリッド車の裏では結構な電圧を制御しています。
※:90系ノア・ヴォクシーは開発系サイトで昇圧600Vと言われているので、全ての車種が650Vまで昇圧されるわけではありません。
プリウスαの駆動バッテリー小話
プリウスαの場合は画像のように2列目の後ろに駆動用バッテリーが設置されています。(こちらの画像も天井デッドニングの関係で内装外しまくっているので、お見苦しい点はご了承下さい)
プリウスαの場合はスペース上の都合より、このような大きな駆動用モーターは後席後ろに設置されています。
空きスペースに単純に設置という話ではなく、駆動用バッテリーは重量があるため、重心バランス含めた最適な位置に設置されるよう設計されています。
ちなみにプリウスαの7人乗り仕様のみ「リチウムイオンタイプ」の駆動用バッテリーが採用されているだけでなく、意外なことに「トヨタ量産車として初採用」です。
コンパクトなので「センターコンソール」に設置されていますが、動力性能、燃費はニッケル水素タイプと同じというからリチウムイオンの性能には驚かされますね。(とある投稿サイトではこのお陰でちょっと暖かくなるとかならないとか(笑))
補機バッテリー(12V鉛バッテリー)
補機バッテリーの大まかな特性
- 充電量満タン状態での運用が望ましい
- 自然放電する
- 急速充電が苦手
- 一定充電量以下で劣化が一気に進む
こちらはハイブリッド車に搭載されている補機バッテリーですが、ガソリン車にも搭載されている「鉛バッテリー」と同じです。
2Vほどのユニットが6つあり、合計12Vの電圧を扱う事から「12Vバッテリー」とも言いますが、駆動バッテリーの200V以上に比べて扱う電圧がかなり違う事が分かると思います。
ハイブリッド車はエンジンルームのスペースに余裕がない事があり、画像のようにラゲッジルームや、後席の下などに設置されている事があります。
車内設置モデルの場合、補機バッテリーは発電時の化学反応で水素が発生しますので、車外排気ダクトが付いたちょっと高めの補機バッテリーが搭載となります。
距離含めて運転頻度の少ない方は注意
最近話題になっている「新車でまだ1年も経っていないのに上がった」、「バッテリー交換して半年もしないうちに上がった」という内容は冒頭の結果1,2が起因している可能性がある事例として結構ありました。いわゆる「ちょい乗り」ですね。
通常、ハイブリッド車の場合は走行時の駆動用バッテリーから補機バッテリーへ充電され、ガソリン車ではオルタネーターの発電により、12V鉛バッテリーへ充電が行われます。
上記にある「補機バッテリーの大まかな特性」に記載があるとおり、補機バッテリーは劣化の進みやすい急速充電ではなく、弱い電力で充電するようになっています。
チョイ乗りの場合は、充電される量より、使用による放電が上回る「過放電」になる傾向があり、弱ったバッテリー状態に加えて、乗車しない日は「自然放電」するのでバッテリー上がりに繋がる可能性があるとのことです。
監視機能の利用
加えてバッテリー上がりしやすい条件3の「エンジン停止後の監視機能」についてです。こちらは代表的な例として、ドラレコの駐車監視機能となります。
設定電圧になるまで「エンジンOFFしても動作継続」するため、状況によっては充電量が低い状態になることがありますし、補機バッテリーは自然放電もするので条件によってはバッテリー上がりに繋がることもあるそうです。こちらもバッテリー上がりに関する内容でよく見かける内容でした。
バッテリー上がりする方で監視機能を使っている方は、セキュリティー面が懸念となってしまいますが、原因特定の意味で、一度、監視機能を使わない状態でバッテリー充電量、電圧がどうなるのか確認してみるのも一つと思います。
ルームランプ、ヘッドライトの消し忘れ
「バッテリー上がりしやすい条件4,5」については、ロードサービス対応案件トップのバッテリー上がりの中で「原因として多かった内容」です。
車種によってはバッテリー上がり防止のための一定時間で電源OFFする機能があります。その機能が無い場合は、バッテリー上がりするまで点灯継続する場合があるので、ルームランプ、ヘッドライトの消し忘れは注意です。
また消し忘れに気付いたとしてもそれが長時間だった場合はバッテリーの確認をお勧めします。
車が動いたとしても冒頭の結果で述べた通り、「ちょい乗り」の方は、補機バッテリーや12V鉛バッテリーに十分な充電がされない場合があるので、バッテリー上がり寸前の状態になっている可能性もあります。
エンジンOFFした後に、確認事、急な電話等で車内に残る場合がありますが、この時も補機バッテリーから電力を消費している状態なので、エンジンOFF時のルームランプ、ヘッドライトの使用は注意です。
プリウスαでの消し忘れ小話
2011年製のプリウスαでもルームランプ、ヘッドランプつけっぱなしだった場合に、一定時間で電源オフする機能があったので、私も過去うっかりをしたことはありましたが、それが功を奏したのかバッテリー上がりになることはありませんでした。
特にヘッドライトの消し忘れは、エンジンOFF時に警告音が通常鳴った気がしますが、鳴った覚えがないのでちょっと調べてみると、プリウスαSLモデルのハロゲンライトタイプは鳴らない記事があったので、「それでか!?」と納得しました。
対策方法はあるの?
バッテリー上がりはさっきまで規定値の電圧だったのに、次の日上がってしまうなんてこともあるくらい一気に発生することもあります。
状況によって難しいという方がいらっしゃると思いますが、やはり車は定期的に動かすことが大事です。
このご時世に、バッテリー保護のためにアイドリングなんて言うと、環境的に・・・とか、燃費の良いハイブリッドにしたのに・・・など色々思われる部分があるかと思いますが、ハイブリッド車なら駆動バッテリー(後述します)に一定以上の充電量があれば、エンジンを回さずに補強バッテリー(後述します)に充電可能です。
但し、エンジン停止条件にはエンジン冷却水の水温、駆動バッテリー温度や充電量などの諸条件があります。
エンジン停止状態になったとしても、補機バッテリーの充電量によっては、補機バッテリーが満充電になる前に駆動バッテリーの充電不足状態になる場合があります。
そうなると駆動バッテリーへの充電のため、エンジン始動が発生する事があるので、その点はご承知おき頂きたいのと、あくまで対策の一つなので必ず解決するとは限りませんし、実施してもバッテリーが上がったからと言って当サイトではポリシーにもありますが責任は負えませんので自己責任の元となる点についてはご容赦下さい。
また、後付けで電装品が多い車は、エンジン停止後に意外な電装品が電力消費していたという話もあります。
電装品によっては特定することが難しいかもしれませんが、外すことが可能であれば、原因切り分けのために一度外してみて様子をみるのも一つの手です。但し電装品によっては外すことで問題が生じる場合があるので、ディーラーなどの販売店、カーショップに相談、または自己責任での内容になります。
最近の新しい車なのに、バッテリー替えたばかりなのに電圧が下がる、バッテリーが上がったという方は、一度購入店、カーショップで確認されると良いかもしれません。
その他の条件
以下内容はボリューム的に紹介が難しいのでまた次回にしたいと思います。
- 条件6:エンジン停止時の電動ドア系
- 条件7:夏、冬の気候
- 条件8:暗電流
- プリウスαでのバッテリー上がり過去事例
- 対策グッズの紹介
- ハイブリッド車はバッテリー上がった車を基本的に助けられない!
- 寒冷地仕様のお話
最後に
如何したでしょうか?
今回は最近よく目にする新車の短期バッテリー上がった。交換後して短期でバッテリー上がった。という内容について、条件1~5を解説してみました。
バッテリー自体の初期不良や、バッテリーを充電する回路、周辺機器の不具合、電力の高い製品を扱うためバッテリー直結して負荷が高めなど、人によって使い方も色々あるので原因は他にもあると思います。
後付け品が全く無いのにバッテリー上がりを短期で起こす場合は、一度近くの購入先でご相談されることをお勧めします。
これから暑い夏を迎えるにあたり、バッテリーに過酷な時期が来ますので、運転頻度の少ない方、走行距離の短い方は一度バッテリー状態の確認をお勧めします。
最後までお読み頂きありがとうございました。
それではまた次回